赤く問い黒く答える
或る二人の日常。
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今だ未定
黒頭巾は既にテントを畳んだ。
それは冬にしてはあまりにも暖かい1月中に。

「じゃあ、ま、俺は先に行ってるからな。」

「ええ。」

赤頭巾は同居人のいる家に戻る。


さて…、どうしたものか。
長旅になりそうな気もしないでもない。
冬眠するには…少々出だしが遅い。

「そうですね。まずはあちらに向かわなくては。」

ふと思いついたかのように、そのまま部屋を後にする。

部屋の荷物はそのままだ。しっとりとした生活感が伺える。
まるで、ちょくちょく帰ってきていそうな、そんな状態のまま、赤頭巾は同居人のいる家から姿を消した。

うっかりしたなと思ったのは三月に入ってからだ。
ついつい、何も考えずに出てしまって大分経つ。


「暦でいう、4月という時期が一番帰りやすいようだ。」
黒頭巾が本のような束に目を通す。
数字が書いてあり、上から順番に、数字の上に爪で痕がつけられている。
「あちらを出てから何回夜が来たでしょう。」
「すっかり忘れたが、60回は確実だろう。」
「まあ、そうですか。」


そろそろ戻らなくては。

「なかなか、帰る場所があるっていうのも大変だな。」
黒頭巾が軽く笑っている。




「おや、いつだって僕の帰る場所は貴方ですよ。」


「そうだな、いつも俺は待ってばっかりだ。」


それでは、と赤頭巾は籠を持った。
「気をつけてな。オオカミには気をつけるんだぞ。」
黒頭巾が似合わず手を振る。
「ええ、充分気をつけます。」
赤頭巾は丁寧にお辞儀をすると、いってきます。と西へ向かった。
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